マーケティングオートメーションが失敗する理由と必要な事前準備

近年、大注目を浴びている「マーケティングオートメーション」(本記事ではMAとも呼びます)。

Google Trendsで見ると、直近5年で一気に検索数が増えていることがわかります。

しかし、MAツールを導入したものの、上手く使いこなすことができない企業が多いとも言われているのが実情です。

  • 導入する人と実際に使う人が異なり、結果として不要なツールが導入される
  • 使いこなしている機能がメール配信システムだけである
  • 営業側に理解してもらえず、マーケティング部の自己満足に終わる

このような問題に陥る企業が非常に多いのではないでしょうか。

そこで、マーケティングオートメーションを行う上でよくある失敗と、失敗を回避して成功させるために必ず行うべき事前準備についてまとめました。

マーケティングオートメーションが失敗する6つの理由

まずはじめに、MAツールの検討からはじめる企業が多いと思いますが、これが大きな間違いです。MAツールの種類は問題ではありません。マーケティングオートメーションが成功するか失敗するかは、ツールの良し悪しではなく社内の体制で決まります。

つまり、失敗の多くは社内の体制に問題があることがほとんどです。順番に見ていきましょう。

①目的が定まっていない

マーケティングオートメーションという流行りのワードに踊らされて、結果目的を明確に持たずに導入していまうケースです。MAツールを使って実現したいことは何か、ROIや業務プロセスの改善にどう貢献できるのか、など、突き詰めて考えていない場合、必ず失敗するでしょう。

②システムを導入すれば成功すると勘違いしている

MAツールはあくまでツールです。武器を持っていても使い方がわからなければ全く役に立たないとことと同じで、MAツールを導入した途端にマーケティングオートメーションが実践できるわけではありません。

③システムの設定で挫折する

導入してみるとわかりますが、MAツールのシステム設定は複雑です。

  • タグの設定
  • スコアリングの設定
  • ラベルの設定
  • シナリオの設計
  • フォームとツールのAPI連携

など、他にも設定すべき内容が多数存在しています。

軽い気持ちで導入してみると、必ず挫折するでしょう。

④そもそも母数が少なく導入するフェーズではない

マーケティングオートメーションとは、その名の通り、プロセスの自動化を通じてマーケティング活動の効果を高め、効率化することが目的です。
しかし、ほとんどサイトに人が訪れていない場合、その効果を発揮することは難しいでしょう。まずは、サイトに訪れる人一定量増やすことに注力し、その後に効率化や効果最大化を狙って導入することが理想といえます。

⑤コンテンツを用意できない

マーケティングオートメーションの醍醐味は、リードナーチャリング(顧客育成)です。リードナーチャリングを実施できれば、見込みとして休眠していた顧客を掘り起こすことが可能です。つまり、新規顧客の獲得以外のチャネルができます。リードナーチャリングを行ううえで有効なのが、メールコンテンツの配信やページの作成、資料請求時に送付するカタログなどですが、これらのコンテンツを用意するには人手が掛かります。結果、コンテンツを用意することができず、リードナーチャリングを実現できないケースも多いようです。

⑥営業部との連携がうまくいかない

マーケティング部でいくらお客様を集めても、実際にお客様と接するのは営業のメンバーです。営業メンバーとの連携がうまくいっていないと、その効果も半減してしまうでしょう。特にスコアリングや配信するコンテンツ内容は、営業サイドの意見を充分に反映させる必要があります。営業が重要と思っていない指標にスコアをつけていたり、逆に良い指標を見落としていたりしては意味がありません。

マーケティングオートメーションを成功に導く8つの事前準備

それでは、失敗する理由を踏まえ、必ずマーケティングオートメーションの導入前にやっておきたい8つの事前準備についてご紹介します。

①担当部署間での導入前MTGの実施

マーケティング部、営業部、その他関わりのある部署の担当者同士で事前に導入前MTGを実施します。
このMTGでは、目的のすり合わせ、課題感の共有、役割分担などを行います。何より、営業に協力を仰いだり、ツールの必要性を認識してもらうためにも非常に重要なMTGとなります。
ツール導入後に営業に知らせるよりも、あらかじめ協力を仰いでおくことでお互いスムーズに導入を進めることができます。

②顧客データのクレンジング

クレンジングとは、既に持っている顧客データを精査することです。例えば、全角や半角、電話番号のハイフン、空白文字や記号、文字列の分割など、ルール付けがされていない情報を整理していく作業となります。
クレンジングを行うことで、後のセグメントの精度を上げることができますし、逆に揃っていないデータの場合、精度が悪いままの運用となってしまいます。

③ペルソナの設計

リードナーチャリング(顧客育成)を行うには、顧客のことを深く知る必要があります。ペルソナを作っていなかった企業であれば、この機会に作ることでターゲットを改めて明確にしましょう。

下記、私が作成したペルソナのサンプルです。

④カスタマージャーニー設計

顧客がどの行動をしているときに、どのようなコンテンツを見せるのか、など、マーケティングオートメーションを行ううえで、カスタマージャーニーとの連携は不可欠です。ここでは、ユーザーが商品やサービスに接触してから、購買行動を起こすまでの感情・行動を可視化させます。後に解説するコンテンツの設計やシナリオの構築に役立ちます。

下記、私が作成したカスタマージャーニーのサンプルです。

⑤コミュニケーションシナリオの整理

カスタマージャーニーで整理した各ユーザー行動に対して、どのチャネルから、どのコンテンツを提供していくのか、を定めるのがコミュニケーションシナリオです。顧客育成をし、見込み度をあげていくことが目的です。

下記、私が作成したコミュニケーションシナリオのサンプルです。

⑥スコアリング設計

3つの側面からスコアリングを設計していきます。

  1. 属性:性別、年齢、居住地、年収、役職、etc…
  2. 行動:メール開封、メールのリンククリック、Webサイト訪問、セミナー来場、etc…
  3. 時間:どのような時間軸で「行動」が起きたか

下記、私が作成したスコアリングシートのサンプルです。

⑦コンテンツの準備・整理

顧客に見せるコンテンツを作成します。主に、メールマガジンやWebページ、カタログなどがここに該当します。しかし、多くの企業がコンテンツの作成に悩まされるのではないでしょうか。そこで、まず見直したいのが、既存のコンテンツの整理です。Webサイトに載せている情報をメールの文章に落として配信するなど、既に持っているコンテンツを有効活用してみてはいかがでしょうか。

⑧シナリオ設計

スコアリングの要素と同じく、MAツールで実現できる重要な機能が、シナリオです。一斉メールを送信するのではなく、1通目のメールを開封した人、リンクをクリックした人、Webページに訪問した人、一定のスコアを突破した人、など、様々な行動にあわせて自動でメールを送信することが可能です。

まとめ

マーケティングオートメーションをはじめよう!と決意した際にまず行うべき行動は、MAツールベンダーへの問い合わせではなく、体制含めた社内の事前準備です。

陥りがちな6つの失敗理由を参考に、事前準備を強化することからはじめてみてはいかがでしょうか。

           

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